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舞囃子 竹生島 木谷哲也(宝生)
舞囃生 生田 岩松由美(金春)
舞囃子 富士太鼓 谷友矩(喜多)

狂言 二人袴(大藏) 木村直樹・小梶直人・大藏章照・吉田信海

能  杜若(観世) シテ(杜若の精) 井上裕之真 
            ワキ(旅僧) 渡部葵

今回の一番若手は、「富士太鼓」の笛方、一噌隆晴さん(2008年生まれ)隆之氏の長男
90年代生まれが主流で、80年代生まれはちょっと先輩という感じ
Wikiで見ると、狂言「二人袴」の太郎冠者、大藏章照さん(二十五世大藏彌右衛門の孫、彌太郎氏長男)が2009年生まれの15歳で一番若いけれど、リストに載っていなかったのは研修生ではないからか。

竹生島「夜遊の舞楽も時過ぎて月澄みわたる湖面(うみづら)に波風しきりに鳴動して下界の龍神あらはれたり」「龍神湖上に出現して光もかがやく金銀珠玉をかの稀人に捧ぐる景色ありがたかりける奇特かな」「もとより衆生済度の誓ひわまざまなれば・・・大蛇の形は竜宮に飛んでぞ入りにける」

生田「無慙やな忘れ形見の撫子の花やかなるべき身なれども衰へ果つる墨染めの袂を見るこそ哀れなれ」「嬉しやな夢の契りの仮初ながら親子鸚鵡の袖ふれて名残盡きせぬ心かな」「はづかしや子ながらもかく苦しみを見ることよ、急ぎ帰りて亡き跡を懇ろに弔ひてたび給へと泣く泣く袂を引き別れ、立ち去る姿はかげろふの小野の浅茅の露霜と形は消えて失せにけり」 
観世などでは「生田敦盛」(2016年の桂諷会若手能で長山桂三・凛三父子のを見たのが印象が強い。もう7年も前か~~)
今回の金春流舞囃子は、女流特集のようで、太鼓だけを除いてすべて女性。
敦盛といえば、お能の代表みたいな本曲?の「敦盛」は、まだ十代半ばの少年公達の美しく儚い悲劇だが、「生田敦盛」は、その少年が父親として登場し、熊谷直実の視点から見た本家敦盛との違いが面白い。

富士太鼓「持ちたる撥をば剣と定め、瞋恚の炎は太鼓の烽火の天に上がれば雲の上人、まことの富士おろしに絶えず揉まれて裾野の桜、四方へばっと散るかと見えて、花衣さす手も引く手も、伶人の舞なれば、太鼓の役はもとより聞ゆる、名の下空しからず、類なやなつかしや」
「修羅の太鼓は打ちやみぬ、この君の御命、千秋楽と打たうよ、さてまた千代や万代と、民も栄えて安穏に太平楽を打たうよ」
前に見た時も思ったけど、このラストに入る前の「楽」の舞が長い。

狂言「二人袴」
以前に、野村萬斎・裕基父子のをテレビで見た記憶があるが、その時は親子だった。大藏流では兄弟なのか? 今回、脇正面だったので、袴の無い後ろ姿の連舞をバッチリ見られたのが面白かった。

杜若「植ゑ置きし昔の宿の杜若色ばかりこそ昔なりけれ」「昔男の名をとめて花橘の匂うつる、あやめのかづらの色はいづれ似たりや似たり、杜若あやめ、梢に鳴くは蝉の唐衣の」「浅紫の杜若の花も悟りの心開けてすはや今こそ草木国土、悉皆成仏の御法を得てこそ失せにけれ」
シテとワキ二人だけ、物着なのでアイも出てこないシンプルな構成だが重厚感のある曲
ワキは人数が少ないせいなのか、これまでの青翔会や若手能でも、ワキだけはベテランということも多いが、今回「杜若」のワキは1998年生まれの渡部葵さんで、若々しい旅僧だったのが良かった。渡部葵さんは前回の青翔会で「脇語り七騎落」を語っていた。
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「杜若」第34回青翔会(国立能楽堂)

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