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2016年の大河ドラマ「真田丸」が12月18日をもって最終回となった。「朝イチ」の看板女性アナ有働さんのナレーション起用を始め、当初からのNHKの力の入れようも半端なかったけれど、それが「清盛」の時のような空回りに終わらず、これまでの大河ドラマの中でも成功作品の一つとなった事は、細かい所でいろいろなツッコミはあるにせよ、ほぼ衆目の一致するところであるようだ。
ネット上でも、「天地人」「江」「花燃ゆ」などに対しては罵詈雑言に近い辛口批評を投げかけていた歴史オタク男子たちに高い評価を得ていた、或はそこまで行かなくても、毎回の放映をネタに盛んな論議を交わす楽しみを与えていたようである。

ところで、もともと三谷脚本というのは、明るくはっちゃけた女性が自由に行動する様を描いたように見せかけて、その裏、かなりの女性不信・女性嫌悪があると睨んでいたが、ご本人の離婚後その癖が益々強くなっているように思うのは私の僻目だろうか?
母や妻など真田信繁の身近な女性たちも、良く言えば個性的だが、自己主張が強かったりトラブルメーカーだったり扱いが面倒臭かったり・・・これはまぁ、出来過ぎた良妻賢母に描かれることの多い大河ドラマの女性たちのアンチテーゼとしてわからなくもない。
作者オリジナルのヒロイン「きり」(真田家重臣の娘に、これに当る女性がいたのは史実らしいが、詳細は不明の人物で、そのキャラや行動は全く作者の創造だという)が最初は非常に不評だったのに、次第に好感度が上がっていったのは作者の腕の良さといってよいだろう。しかしやっぱり、藤沢周平の描く女性たち等とは全然違っていた。
印象的だったのは、大蔵卿(豊臣側)vs阿茶局(徳川側)の女性外交官対決。通説である「外堀・内堀」や、老獪な家康の悪だくみといったイメージを一掃して、女性管理職が仕切る大坂方の現状認識の甘さが敗北を招いたことをこれでもかと見せつけた。
阿茶局が家康のもとで他の老臣たちと共に組織の一員として仕事をしているのに対し、大蔵卿は強力なパートナーとなるべき片桐且元とは協力関係を築けず、本来の敵よりも、牢人たちが「近くにいる鬱陶しさ」という感情面が先に立ってしまって、「牢人たちがいるから戦になるのです。彼らを追い出してしまえば平和が来ますよ。」という阿茶局の甘言にうまうまと乗ってしまうのだ。ここは女性不信だけでなく、「女性がリードする平和運動」にも三谷さんは不信感を持っているのではなかろうかと感じてしまった。
茶々のファム・ファタールぶりは見る人によっては魅力的だったかもしれないが、私は今イチ乗れなかった。竹内結子さんは充分美しく演技力もあったと思うけれど・・・ひどかったのは小野お通の描き方で、なぜわざわざ登場させたのか不明。起用された元フジテレビ女子アナには罪はないと思うが、こちらのブログhttp://blog.goo.ne.jp/yujinan/e/1e7adfd192c89d074180fdefae57a156
のお怒りはごもっともだと思う。  
さらに違和感があったのは千姫の描き方で、お通と違い、秀頼が出る限りは登場せざるをえない人物であるが、「全く大坂に対する情感のカケラもない」という千姫ってNHK・民放を含めて初めてだったのじゃないだろうか。「江戸に帰りたい」「無事に帰れてよかった」だけで終る千姫。「こりゃダメだ」という表情で去って行くきりちゃんに初めて深い共感を覚える。そういえばきりちゃんはどうなったのか?スピンオフで活躍するんだろうか?
「女性蔑視」な作者であれば、さっさと切り捨てて忘れるだけの話だが、女性に対する「蔑視」はないけれども不信感が強く感じられるというものは、どこからそういったものが出て来るんだろうという興味をそそられる。三谷作品、今後もちょっと気になる存在であり続けるだろう。

さて、8日から始まる井伊直虎であるが、脚本の森下佳子さんは、「JIN」・「ごちそうさん」(向田邦子賞受賞)・「天皇の料理番」など手堅いヒット作を書いてきている点、安心感はある。大阪教育大学付属から東大文学部という秀才でもある。

 

不安要素としては、またまたオリジナル脚本だということ、ドラマ性はあるが知名度が低く、人間関係の複雑さなどで敷居が高くなりそうなこと、それを無理にわかりやすくしようとすると、女性主人公にありがちな安易な「女性目線大河」「戦のない世の中にしたい大河」になってしまわないかということ。さらに、もしそこをクリアしてまっとうに描かれたとすると、史実的にはかなり暗い話が多くなるみたいなので、見るのが辛い展開になってしまうかも(「八重の桜」みたいに)・・・なんか、どっちに転んでも心配というネガティブ予想になってしまったが(-_-)
でも、思えばNHK大河ドラマの第一作は、井伊家の幕末の大老、井伊直弼が主人公の「花の生涯」だった訳で、その後井伊直弼は何度も大河ドラマに登場したものの、井伊家が主体となる大河ドラマ再びということで、浜松ばかりでなく彦根の皆さんも気合いが入っているのではないかと思う。とりあえずは第一回を楽しみにしたい。

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真田丸

Comments

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コメント
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ブログ開設おめでとうございます。
新年も明けましておめでとうございます
コメントはこちらに書かせていただきます

真田丸終わってしまいましたね
近年には珍しく全回見ました
ちょっとくらい話だと思うんですけど明るく書いてあったし
最終決戦もそれほど悲壮ではなかったので良かったです
最近はあんまりしんどいのは苦手です
きりがヒロインなのにえ~人とちょっと不満でしたけど
個性的ではありましたね最後は幸村の片腕として活躍しますね
ラブし~ンのところは笑えましたけどーー10年前がきれいだったってこだわっていたところ
大河は脇役に面白い人が出てそれも見どころですね
大蔵卿、長男の最初の奥さんはスタパに出て見えるところを見たんですけどへえ~こんなに芸達者な人だったんだそこを見込まれたのねなどと発見がありました
草刈正雄さんは真田太平記では幸村を演じて見えるんですね今回は父親役で感慨深いものがあったでしょうね
真田太平記の方も見てみたいものだと思います
放送が終わって当初ネットで真田丸ロスの人が多いと出ていました

ぐり URL 2017/01/08 (Sun.) 11:34 edit

ぐりさん、コメント有難うございます!!
真田丸、面白かったですよね。敗けた側の話ですが、ぐりさんがおっしゃっているように、全体に明るいムードで前向きだったのが良かったです。いろいろとツッコミ所もありましたが、脚本家が腹をくくって書いているというのが伝わってきましたね。一昨年のように、脚本家がコロコロ変わったり、制作側の作品への愛よりも批判をかわそうとする姿勢が見えてしまうと興ざめになるし、役者さん達も気の毒。
「真田丸」は、役者さん達も楽しんで演じている気分が感じられました。
信幸の奥さん「おこう」さんの女優さんはこれまで全然知らなかったのですが、これでブレイクするかしら、現代ドラマでも見てみたいですよね。

ブログ初心者で、まだまだわからない所だらけで困っています。
ぐりさんのように、素敵な写真をたくさん入れられたらよいのですが、、、まぁマイペースでやって行こうと思っています。
お家のことやお孫さんのお世話でお忙しいでしょうが、お時間のあるときまたお寄りいただければ嬉しいです。

ストファ管理人  2017/01/08 (Sun.) 22:42 edit