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十回記念ということで、常にも増して超豪華な顔ぶれ・・・12歳ながらもう子方というより人気実力兼ね備えた若き能楽師のオーラを振りまきまくる凛三くんとパパ桂三氏親子の義経・弁慶に加えて、馬野パパや武田家ご兄弟・坂井家ご兄弟始め、主役級のシテ方皆様が郎党でドヤドヤとご出演、その上、銕之丞師は師匠だから当然としても、野村四郎・浅見真州ほかの大御所が仕舞や地謡・後見で、狂言は万作師・・・と思ったらなんとアイの強力で萬斎さんも登場。
長山家は今年、ご自宅のお稽古場に立派な「長山能舞台」を落成されたというし、乗りに乗っているという感じ。
5月の「春栄」、9月の「海士」に行けなかったので、今年最初で最後の桂諷會になってしまったが来年以降の凛三くん達の活躍ますます楽しみだ。

桂諷會は番組がとても充実していて、仕舞や舞囃子の曲目についても詳しく解説されているし、どの部分が演じられるかという記載もあるので、初心者には大変ありがたい。

舞囃子「鞍馬天狗」 長山凛三

仕舞「実盛」 野村四郎

「その執心の修羅の道、めぐりめぐりてまたここに、木曾と組まんとたくみしを、手塚めに隔てられし無念は今にあり」
「老武者の悲しさは、戦にはし疲れたり、風にちぢめる枯木の力も折れて・・・篠原の土となつて影も形も亡き跡の、影も形も南無阿弥陀仏、弔ひて賜び給へ、跡とぶらひて賜び給へ」
 
仕舞「仏原」 長山禮三郎

「ひとりなを仏の御名を尋みむ、をのをの帰る法の場人(にはびと)」
「法の教へもいく程の世ぞや、前仏は過ぎぬ、後仏はいまだ也」
「嵐吹く雲水の、あらし吹く雲水の、天に浮かべる浪の一滴の露の始めをば、なにとか返す舞の袖、一歩挙げざる前をこそ、仏の舞とは言ふべけれど、謡ひ捨てて失せにけりや、謡ひ捨てて失せにけり」
 
仕舞「船弁慶」 鵜澤久

「そもそもこれは桓武天皇九代の後胤、平の知盛幽霊なり」
「あら珍しや、いかに義経、思ひも寄らぬ浦波の、声をしるべに出舟の」
「夕波に浮べる長刀取り直し、巴波の紋あたりを払ひ、潮を蹴立て、悪風を吹きかけ、眼もくらみ心も乱れて、前後を忘ずるばかりなり」
「その時義経すこしも騒がず、打物抜き持ち、現の人に向ふがごとく、言葉を交し戦ひ給へば、弁慶押し隔て、打物業にてかなふまじと、数珠さらさらと押し揉んで」
「なほ怨霊は慕ひ来るを・・・また引く汐に揺られ流れて、跡白波とぞなりにける」
 
狂言「清水座頭」 シテ(座頭)野村万作 アド(瞽女)中村修一

舞囃子「頼政」 観世銕之丞

「そもそも治承の夏の頃、よしなき御謀叛を勧め申し、名も高倉の宮の内、雲居のよそに有明の、月の都を忍び出でて、憂き時しもに近江路や、三井寺さして落ち給ふ」
「さるほどに源平の兵、宇治川の南北の岸にうち臨み、鬨の声矢叫びの音、波に類へておびただし」
「さるほどに入り乱れ・・・これまでと思ひて平等院の庭の面、これなる芝の上に扇をうち敷き」
「さすが名を得しその身とて、埋れ木の花咲くこともなかりしに身のなる果はあはれなりけり」
 
能「安宅」
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第十回記念桂諷會 「安宅」

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