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華宝会は、ワキ方の下掛宝生流が主催して、各流派のシテを招き演じる会。先日の青翔会の時にチラシを見るまで全然知らなかった。
小町ものは「草紙洗小町」しか見たことがなく、今回「卒塔婆小町」だというので早速申し込んだ。

 

能「卒塔婆小町」【宝生】 シテ(小野小町): 田崎隆三   
             ワキ(高野山の僧):野口能弘 ワキツレ(従僧):野口琢弘
 
小町を主題にしたものは他にも「通い小町」「鸚鵡小町」「関寺小町」など数多いが、現役時代の小町がヒロインのものは草紙洗だけで、あとは老残のホームレス老女として登場する小町っていうのが面白い。


狂言「栗焼」【和泉】 シテ(太郎冠者):野村万作   アド(主):深田博治

「立派で粒のそろった丹波の栗」が出てくる話(嬉)
趣旨としては、附子とか柑子などのように、主家の食材をうっかり食べ尽くしてしまい、どうやって言い抜けるか・・・という話の一つだが、これはそれよりも美味しそうな栗を焼いていく実況中継(?)が見所かも(万作師の神演技に観客席が吸いこまれていた)ラストも「やるまいぞ」と追いかけるのでなく、静かな終わり方。


能「殺生石」【金春】 シテ(里女/野干):櫻間右陣
           ワキ(玄翁和尚):野口敦弘  アイ(能力):石田幸雄
 
「殺生石」は何度か見ているのだが、恥ずかしながら「黒塚/安達原」(これも何度か見ている)とゴッチャになっている。同じような青いツクリモノが出てきて、前シテが女性で作り物から出てくる後シテが鬼で・・・
舞台もそんなに離れてはいない?今のでいうと黒塚は福島県で殺生石は栃木県か。
玉藻前というのはフィクションだと思うが、玄翁和尚と安倍泰成は実在の人物。玄翁は喜多方に示現寺という寺を開いた人で、安倍泰成は清明の七世の子孫だそうだ。

今回、脇正面の後ろの一番はじっこの席しか取れなかったのだが、そのおかげで揚幕から登場するワキやシテが手を伸ばせば届くような距離で、足運びとかもよく見えた。また、作り物の中での衣装替えの様子もわかって面白かった。アイが喋っている時間目いっぱい使って、二人の後見が(奥のほうにいる一人は見えないけれども)大わらわで着付けていた。囃子方(とくに大鼓と小鼓)が邪魔!って感じなのが笑える。


お能日記とは何の関係もないが、今回上演の宝生能楽堂のすぐ裏手にある女子校が、このところ話題の某暴言暴力議員の母校である。これまで能楽堂を訪れた時には、あまり遭遇しなかったのだが、今回はちょうど定期試験期間であったものか、桜バッジをつけて水道橋駅のほうに下りてくる女子高生たちの群れとすれ違った。さすがに皆頭の良さそうな子ばっかりで、一般に女子高生の群れとすれ違う時のキャピキャピ感は低いが、困った先輩の事などは気にせずそれぞれ充実の学生生活を楽しんでいるふうで良かった。地の利を生かしたお能サークルとかあるんだろうか?
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華宝会「卒塔婆小町」「殺生石」

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