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先日の関東大雪で、羽根木公園の梅の開花も、梅まつりを目前にしてちょっと足踏み状態のようである。



今年の寒梅忌読書には、『闇の歯車』を選んでみた。1976年に別冊小説現代に発表された長篇で、その時は『狐はたそがれに踊る』というタイトルだったという。別冊といえども長篇が雑誌一冊に一挙掲載されるのは珍しいことだったと、文庫解説の礒貝勝太郎氏が書いている。現在出ているのは2005年刊行の講談社文庫新装版で、作者死去までに至る詳しい年譜もついている。

「ハードボイルド時代劇」などと評されているように、時代小説といっても雰囲気は現代的で、登場する同心や岡っ引きも、かわせみや鬼平と違って、スーツの捜査官と所轄のベテラン刑事だったとしても全く違和感ない。剣の腕や人情味で捜査側が表に出るのではなく、あくまでも主人公は「闇」の側の人々で、追うほうは黒衣に徹しているのもかっこいい。
翻訳ミステリーや洋画も好きで詳しかったという藤沢周平のテイストがいっぱいで、長篇といっても一気読みできる長さなのが嬉しい。

 
これは映像化されてないはずはないだろうと思って検索してみると、やっぱりフジテレビ系で1984年に単発ドラマとして放映されていた。
仲代達矢主演・隆巴脚本で、無名塾・俳優座を中心のキャスト、作者の若い時代が投影されていると思われる元檜物師の佐之助と浪人清十郎はそれぞれ、役所広司と益岡徹が演じている。
昭和末期のドラマ化からちょうど一世代が経過したわけで、ぜひともリメイクしてほしいものだ。
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寒梅忌2018

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