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舞囃子「忠度」【喜多】 狩野祐一

おなじみ「行き暮れて木の下蔭を宿とせば花や今宵の主ならまし」
 
舞囃子「巻絹」惣神楽【金春】 村岡聖美

今回「惣神楽」というのは解説にも書いてないので、帰宅してから検索すると、これまでの青翔会にも出場あそばしている金春流の中村昌弘さんのブログに「総神楽とも書き、ごく簡単に言えば普段は途中から譜が変わるものを終わりまで神楽地で吹き切るというものです」と書いてあるが・・・普通は「譜が変わる」っていうのは、普通は出だしは神楽でも途中から神楽じゃなくなるけど、惣神楽だと初めから終りまで神楽、ということなのか? また「吹き切る」ということは笛の問題なのか? 「巻絹」の能は前に一回見たことがあり、そういえば神楽のような長~い舞があったような記憶もあるけれども、もちろん今回の舞囃子との比較などわかるはずもなく。そういえば平岩先生の短篇に『神楽師』っていうのもあったなぁ等と思いながらボーっと見ていただけ。

舞囃子「絃上」【宝生】 亀井雄二

大河ドラマで清盛をやっていた年に「清盛ツアー」で須磨を訪れた時、このお話ゆかりの「村上帝社」の前を通りました。

村上天皇の霊(シテ)と琵琶の名手藤原師長(ツレ)、若いアーティストの気負いとそれを受け止め育てようとする名人の交流がいいですね。今年生誕百年のバーンスタインを偲んで世界各地で弟子たちによるイベントが行われる事など連想します。
詞章では触れられてないと思いますが、藤原師長は非業の死をとげた悪左府頼長の長男。浮き沈みはあったようですが太政大臣も務め、琵琶の名手として名も残しているのはこの時代の人としては幸福な生涯だったか。
 
狂言「清水」【和泉】 シテ(太郎冠者):河野佑紀  アド(主):上杉啓太

能「善界」【観世】 シテ(山伏/善界坊):安藤貴康  ツレ(太郎坊):小早川泰輝
          ワキ(飯室の僧正):
御厨誠吾  
          ワキツレ(従僧):
野口能弘 殿田謙吉  
          アイ(能力):野村万之丞

開演前、隣の席のオジ(イ)サマ達が「この、唐から天狗がやってきて日本の仏法をやっつけようっていうのは、戦後中国を支配下におさめた共産党が、日本も引き入れようとやって来るのと同じだな。ツレの太郎坊っていうのは朝日新聞やNHKみたいなもんか。こういう作品を今やるっていうのは実に有意義だねえ」と盛り上がっているのを聞いて「はぁ~~そういう見かたもあるのか」と(@_@)でした。昨今、ごく普通に嫌中嫌韓的発言が聞かれるようになったなぁ(一昔前の、環境汚染こわいよね、やっぱり有機野菜のほうがいいのかな、みたいなノリで語られる・・・)とは感じていたのですが、能楽堂の中にもそうした空気が入っているのか。が、しかし、ギャラリーに行ってみると、これまでは解説プリントに英語バージョンはありましたが、今年から?中国語・韓国語バージョンも置かれている。思想国境を問わずお能の素晴らしさをアピールしようという能楽協会のやる気まんまんに拍手。
それと、オジサマ方に気づいてもらいたいのは、結局日本の神々にやられてしまい日本征服を果たせなかった善界坊のほうが主役なんですよね。もし、天狗(=左翼?)勢力から日本を守ろう!というテーマなら、善界坊をやっつけるワキの飯室僧正のほうがヒーローになってしかるべきなのでは・・・というか、お能ではだいたい、やっつけられる鬼とか悪霊のほうがシテに決まってる。紅葉狩も、土蜘蛛も、殺生石も、黒塚も、鉄輪も、鵺も・・・正義のヒーローがシテというのは田村くらい? 先のオジサマ的見方も、お能的には決して頭ごなしに否定はされないんでしょうが、とにかく奥の深いものだよなぁと思う。

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国立能楽堂 青翔会6月

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